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おどる猫といわしのはなし




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昔あるところで
おどる猫が歩いてきました。

「ややっそこのお嬢さん、このあたりでいわしを見つけやしませんでしたか?」

猫は通りかかった、お目目ぱっちりのさっちゃんに話しかけました。

さっちゃんは
「いわし!いわし!気になるです( ´ω` )」と思いながらも、
「いえいえ私は知りません」とおどる猫に答えました。

すると。さっちゃんの腕にかかった赤い小さなカバンから突然、
ぴちぴちと何かが動く音が聞こえます!

「はっ!これは…いわし!?」
恐る恐るさっちゃんがカバンの口に手を伸ばします。

おどる猫も思わず叫びます。
「にゃごーーーーーーにゃGOーーーーー??」
さっちゃんも思わず叫びます。
「にゃごごごGOーーーーーー!!!!」



「さっちゃんざんねんでしたーボクだよー!」

さっちゃんのカバンからあらわれたのは、毛玉でできたリトくんです。

これにはさっちゃんもおどる猫もビックリです!

さっちゃんは
「かわいいです?。゚.(*?´?` 人´?` ?*)゚? °・」と思いました。
おどる猫は落ち着かない様子で毛づくろいをはじめました。

「はて、私はなにを探してたのかな?」
おどる猫は毛づくろいをやめて首をかしげてみせましたが、
なにか思いついた顔をして、
さっちゃんとリトくんの手を取りました。

「いやいやそれよりもまずはみんなで、ね?」というと、
リトくんも「ね?」といい、
最後にさっちゃんも「ね!」と言いました。

そして三人は、さっちゃんの手拍子に合わせながら仲良く踊りつづけました。

いわしの話は、また別のはなし。。

おわり


おはなしのなかの
さっちゃんのモデルと
三枚目(上)の作品の作者は
画家の中谷紗千さんです。
リトくんと二枚目の写真の絵の
作者はリトマルスさんです。
最初の写真の猫の手ぬぐいは
永楽屋さんで購入しました。
額に入れて飾ってます。



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【ものがたり】いつもいっしょ






どうぶつと人間が仲良く暮らす丘の中腹に、女の子と、りすと、しかの三人が暮らしていました。


三人はとても仲良しでいつも三人で出かけたり、お茶したり、ご飯を食べたり。同じ時間を過ごしていました。




ある朝女の子は早起きして、クルミとプルーンをふんだんにつかったスコーンを焼きました。りすとしかと一緒に食べようと思いついたのです。


スコーンが焼きあがるころ、部屋中甘い香りがただよいました。


「そうだ、庭に咲く百合をテーブルに飾りましょう。そうしたら二人とも、きっと喜ぶから」


女の子はそういって籐でできたかごをもち、小川の近くの庭に咲く百合のところに向かいました。




甘い香りに誘われてりすちゃんと、しかくんは同時に目を覚ましました。


「これはなんの匂いだろう、りすちゃん」


「さあ、しかくん、あずみちゃんにきいてみようよ」


目をこすりながらふたりはキッチンに向かいますが、テーブルには焼きたてのスコーンがあるだけで、女の子はいません。


「あずみちゃん、お散歩にでかけたのかな」


「それにしても、なんて美味しそうなスコーンだろう」


そういったしかくんのお腹がぐぅとひとつ鳴りました。


つられてりすちゃんのお腹もぐぅとひとつ鳴りました。


「りすちゃん、お腹がへったねえ」


「しかくん、それにしてもお腹がへったわねえ」


ふたりのお腹はまたひとつ、ぐぅと鳴りました。


でも、このスコーンは女の子が焼いたもの。勝手に食べるわけにはいきません。


「そうだ、ここにスコーンはたくさんある。だから少しだけ食べてみよう。」


「だめだよしかくん、あずみちゃんが悲しむわ」


しかくんは得意げに答えました。


「ひとつ名案があるんだ。君と僕とでスコーンを食べるだろ。でも三つは残しておこう。そうすれば、あずみちゃんが戻ってからひとつずつ一緒に食べられる」


りすちゃんは、ぐぅとお腹を鳴らしながら言いました。


「しかくん、きみはなんて頭がいいのかしら。それならみんなでスコーンを楽しめるわ」


「では、いただきます」


「いただきます」


ふたりはそれぞれスコーンをひとつ、またひとつ口にほおばりました。


「なんておいしいのだろう」


「なんておいしいのかしら」


ふたりは口のまわりにスコーンをつけながら、むしゃむしゃ食べてしまいました。


「りすちゃん。美味しかったね」


「しかくん、美味しかったわね」




「あぁ、でも僕、もっと食べたいや」


「もう少しスコーンがあればねぇ」


しかくんは得意げに答えました。


「ところでりすちゃん、僕に名案があるんだ。この残ったスコーンを君と僕とでひとつずつスコーンを食べるだろ。残ったひとかけらを三つに分けよう。そうすれば、あずみちゃんが戻ってから一緒に食べられる」


りすちゃんは、くちびるをぺろっとなめていいました。


「しかくん、きみはなんて頭がいいのかしら。それならみんなでスコーンを楽しめるわ」


ふたりはスコーンをわって、ちいさくちいさくなったスコーンをひとつまみしていいました。


「では、いただきます」


「いただきます」


ぽりぽりぽり。


スコーンはあっと言う間になくなりました。


「りすちゃん。美味しかったね」


「しかくん、美味しかったわね」




「ちいちゃいながらも、味はすばらしいね」


「あずみちゃんと一緒に食べたらもっとすばらしいでしょうね」


りすちゃんのひとことに、ふたりはお互いの顔をみあわせました。


お皿にはしかくんの黒くて丸い鼻よりも小さくなったスコーンがひとかけらしかありません。これでは三つに分けることもできません。


「どうしよう、りすちゃん」


「どうしよう、しかくん」


ふたりは落ちつかなくなって、しかくんは床を掘るしぐさを、りすちゃんはテーブルをかじるしぐさをしてしまいました。


しかくんが床を23回掘るしぐさをしたとき、女の子が百合の花を抱えて帰って来ました。


「ただいま。小川の百合が見事に咲いていたから、一輪いただいてきたわ」


しかくんとりすちゃんは顔を青ざめて、小さな声でやっと「お帰りあずみちゃん」と言えました。


女の子はテーブルのお皿のうえのスコーンをみて、一瞬くすっと笑いたくなりましたが、思いなおして、ちょっと怒ったふりをして言いました。


「だまって食べてしまうのはよくないわ」


するとしかくんは言いました。
「だって、だって、お腹がすいていて、とてもいい匂いで、あずみちゃんと三人で食べられるように三つに分けてたんだけど、なんでだろう、こんなにちいさくなったの」


りすちゃんも言いました。
「あずみちゃん、本当よ。私たち、あずみちゃんと一緒に食べようって、じゃあどうしたらいいんだろうって。しかくんがいい考えを思いついたのに、なんでたろう、こんなにちいさくなったの」


しかくんもりすちゃんも、目から涙がこぼれて、いっそうせわしなく、くるくる回りはじめました。




ふたりの話をきいていて、あずみちゃんはなんだか胸があったかくなってきたのです。


ふたりに言いました。


「ふふふ、ふたりとも、このスコーンはしかくんの好きなプルーンと、りすちゃんが好きなクルミが入っていたの、気づいた?」


「でもね、低温で焼いたからかな、さっくりいかなかったの。
だから、いまから作りなおすわ。紅茶もいれましょう。それに百合の花をテーブルに飾りましょう。」




そして三人は
スコーンが焼けるまでの間
とてもゆったりした時間を楽しみました。


そして、さっくり焼きあがったスコーンをお腹いっぱい食べました。スコーンの香り、紅茶の香り、そして百合の香りが三人をやさしく包み込みました。




一緒にいても
一緒にいなくても
三人はいつも一緒でした。



おわり






このおはなしは

冒頭の一枚の写真からうまれました。

natureさん(@azumin27 on Twitter)

素敵な写真をありがとうございます。

はなげのこいびと♯4







【これまでのあらすじ】


誰もが恋する佐々木さんに


恋に落ちた渡辺くんは


ちょっぴり不器用



渡辺くんは勇気をふりしぼって


佐々木さんをデートに誘い


鼻毛を出しながら告白するが


あっけなく振られてしまう



それから二ヶ月


会社に佐々木さんの


姿が見当たらなくなって…













ある朝久しぶりに


渡辺くんは、


隣の机に座る同僚の


男の子に聞いてみました。





「向こうの席に座っていた


佐々木さんというかたは、


どうしたんだか、君しってる?」





渡辺くんの同僚は


首を横にふるばかり。





ほかの知り合いにも


声をかけてみましたが、


だれも佐々木さんの


行方をしりません。





それから渡辺くんは、


仕事をほっぽり出し、


会社中のひとたちに


佐々木さんの行方を


聞いて回りました。





佐々木さんの有力な


情報をしっていたのは、


いつも掃除をしてくれる


噂好きなみよさんでした。











「あんた!


佐々木さんについて、


誰にも言っちゃいけないよ。





なんでも、


家から一歩も出てないって、


部長が話しているのを、


あたし、ちゃんと聞いたのさ。





あとね、ヒヒ、


あんた、佐々木さんと


ご飯食べにいったろ?


あたし、ちゃんと知ってるよ。





もし佐々木さんに


会いたかったら


佐々木さんのマンションに


いってごらんよ。





ヒヒ、ちゃんと後で、


どうなったか、


あたしに教えなよ」





そういってみよさんは


くしゃくしゃの紙に


読みづらい字で書いた


佐々木さんの住所を、


渡辺くんの胸ポケットに


突っ込みました。





渡辺くんはみよさんに


ぺこりとお辞儀をして、


その足で佐々木さんの


家に向かいました。












渡辺くん、初の無断退社でした。





さて、その続きはまた別の話。






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はなげのこいびと♯3












「だってあなた、


鼻毛がでてるじゃない!


ないっ


ない…」






それからの記憶。





渡辺くんには


ありませんでした。




ただ気づいたら、


毎日会社に通い、




誰とも話をせず、


誰にも笑いもせず、




ひたすらパソコンの


キーボードを叩く




そんな日々が続きました。










ただひとつ、


かわったこと。




それは、




佐々木さんという


美しい女の子が


会社でみかけなく


なったのです。





いままで渡辺くんの


座る位置から


まるでお花畑のように


華やかだった机には、


だれも座っていません。










くる日もくる日も空席で、


机のうえには書類が


毎日山のように


積み上がっていきました






が、とうとうある朝、


机の上はきれいさっぱり


片付けられていました。





「佐々木さん…は、


いったいどうしたんだい?」





渡辺くんがそう思ったのは、


二人で居酒屋にいってから


ちょうど二ヶ月目の朝でした。






このつづきはまた、別のお話。





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はなげのこいびと♯2






今晩、



佐々木さんと、


デート!




さて、


渡辺くんが選んだお店は、


新橋のサラリーマンが


集うような、


居酒屋でした。









そんななかで


渡辺くんと


佐々木さんのペアは


とかく目立ちました。





ほかのお客さんは


佐々木さんの


美しさにみとれてから


渡辺くんをみて


舌打ちをしました。





渡辺くんは


あまり飲めない


お酒をぐいっと飲んで、


一息ついて、


そして一言一言


話しはじめました。





それは


小さい頃の思い出、


家族のこと、


学生時代、


そしていまの仕事のこと…。




渡辺くんは


これまで経験した


ことのないほど


早口で、


思いを込めて、


話しました。





そんな渡辺くんの話を、


佐々木さんは黙って、


時々あいづちをうって、


少し笑いながら、


聞いていました。





渡辺くんにとって


楽しい時間は


あっという間。





帰る時間となりました。


帰り道、ずっと黙って


歩いていた二人でしたが、


突然渡辺くんが言いました。




「あの、佐々木さん。



僕、あなた、好き」










渡辺くん自身、


そう言った後、


自分自身の言葉に


びっくりしました。





生まれてはじめての告白、


しかもフランケンみたいな


話し方だったからです。






一方、佐々木さんは。


少し笑っているような


口元をした後、


突然笑い出しました。






あはははははははは!!!


渡辺くん。


あなた、本当に面白いわ。


私のまわりには


あなたみたいな不器用な方、


いままで近づいてきたこと、


なかったの。


だから私は


あなたのお誘いを受けたの。






でもね、勘違いしないでね。



わたしは



あなたと



つきあわない。










私は私にふさわしい人と




巡り会わなければならないの。





なぜなら私は美しいから。





それにね、




だってあなた、





鼻毛がでてるじゃない!






ないっ




ない…」






この続きはまた別の話。





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はなげのこいびと♯1






むかしむかしあるところに


佐々木さんという


女の子がいました。







佐々木さんは


すらっとしていて


真っ黒な髪をして


それはそれは


きれいな女の子でした。



小さい頃から、


まわりの男の子たちは


佐々木さんを一目みると


恋に落ちてしまいました。



佐々木さんにとって、


周りにかっこいい男の子や


お金持ちの男の子


自信のある男の子が


いることが


当たり前だったし


当然と思っていました。








渡辺くんは


これまで


まともに女の子と


お話したことが


ありませんでした。



なぜなら渡辺くんは


ずんぐりむっくりしていて、


おとなしくて、


おどおどしていて、



多くの女の子は


渡辺くんが側にきても


気づかなかったし、


渡辺くんもそれが


当たり前だと


思っていました。








あるとき、


渡辺くんは


佐々木さんに


恋に落ちました。




佐々木さんが、


渡辺くんがはたらく会社に


入ってきたのです。


あまりの美しさに


渡辺くんの胸は


一気に高まりました。




ああ、これが


恋のから騒ぎなんだ、


とよくわからないまま


思いました。







それから二年間、


毎日毎日渡辺くんは


佐々木さんを遠目で


みていましたが、


あるとき渡辺くんは


気づきました。



「今日佐々木さんを


お食事に誘わなかったら、


僕は一生佐々木さんを


デートに誘えないにちがいない。


誘うならいまがチャンスだ」



佐々木くんは


悩みに悩みましたが、


とうとう佐々木さんが


座る机にいき、


お食事に誘いました。



「あの…佐々木さん…


今夜、お食事…


どう…ですか?」



渡辺くんは緊張して、


まるでフランケンのような


しゃべり方です。



それに対して、

佐々木さんは


少し考えるような顔をした後、




「いいですよ」




と透き通るような声で


渡辺くんに答えました。






渡辺くんは


まるで天にも


のぼるような気持ちでした。


今夜、佐々木さんと、デート!




この続きはまた別のお話。





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